住宅を購入すると住民税などの他に支払い義務が発生する「固定資産税」。
固定資産税は、土地や住宅などの資産に対して地方自治体がかける税金で、一般的な住宅の平均税額は10万円~20万円程度です。
土地の広さや建物の築年数によって異なる税額は、いったいどのように算出されているのでしょうか? 固定資産税の概要も含めて詳しく見ていきましょう。
なぜ固定資産税が必要なの?
地方自治体が土地や住宅などに固定資産税をかける理由は、住宅を建てることで上下水道や道路、ゴミ収集サービスなどのインフラ整備が必要となるためです。
また、街が形成されていくことで学校や公共施設などの行政サービスを行う必要が発生します。固定資産税はその財源にもなっています。
固定資産税評価額とは?
固定資産税の税額は、「固定資産評価額」を基準に算出します。
固定資産税=固定資産税評価額×1.4%(標準税率)
では、固定資産評価額とはどのように決めるのでしょうか?
固定資産評価額は、各自治体が固定資産評価基準に基づいて個別に調査を行い決定しています。
土地の評価額は公的価格を基準とし、土地の立地や形状などを加味して算出されますが、おおむね時価の約7割の額が目安となっています。
家屋の評価額は、家の規模や構造、設置設備などによって異なり、同じ面積なら木造よりも鉄筋コンクリート造の建物の方が高くなります。新築時は請負工事金額の約5~6割が目安となり、築年数が経過するとともに原価償却で評価額も下がっていくしくみです。
家屋の評価額の算出は、登記後に行われる自治体の担当者による実地調査にてなされ、設備については調査時点での付帯しているものをもとに算出します。したがって、エアコンなどの後付けできる設備は実地調査後に取り付けることで節税につながるといわれています。
住宅を建てると固定資産税が減税に
土地に一般住宅を建てると、土地の固定資産税が減税になります。減税率は土地の広さによって異なり、200㎡以下の場合は6分の1、200㎡超の場合3分の1に減額されます。
また、令和2年3月31日までに建てられる120㎡までの新築住宅は、戸建て住宅は3年間、マンションなら5年間の期間、2分の1が減額されます。
固定資産税軽減の特例措置は、自治体の条例によって定められており、「認定長期優良住宅」など減税期間を長く定めているものもあるので、住宅を購入する際に調査してみるとよいでしょう。
固定資産税の算出方法
固定資産税の算出方法について、例を挙げてみます。
土地付き新築住宅を購入する場合、土地の面積が200㎡で評価額が1,500万円、家屋の床面積が120㎡で評価額が2,000万円の場合、
土地にかかる固定資産税が、1,500万円×1/6×1.4%=3.5万円
家屋にかかる固定資産税が、2,000万円×1/2×1.4%=14万円
となり、新築時より3年間は合計で年間17.5万円となります。
財政難な自治体を中心に、標準税率(1.4%)より高く設定している自治体もあるので、住宅を購入する自治体の税率を確認してみてください。
固定資産評価額は、不動産取得税や登記免許税、都市計画税の算出のもとにもなっています。住宅を購入するなら、どれくらいの額が課税されるのか把握しておきたいものですね。
自己所有の土地や家屋の固定資産評価額は、各自治体の役場の固定資産税台帳で確認することができます。
また、毎年4月1日から最初の納期限の日までの間なら、近隣の土地や家屋のものも確認することも可能です。毎年納税するものなので、もし疑問を感じたら確認してみるのもよいでしょう。